公開日 2026年6月19日 最終更新日 2026年6月19日

「過去、現在、未来。すべては、なるべくして展開していく」――。
平均年齢25歳、デビューから4年目を迎える台湾のボーイズグループU:NUSが、待望の2ndアルバム『U:NFOLD』をリリースした。
人生の4分の1。大人になりきれないような、でももう子供ではない25歳という等身大の葛藤とエネルギーが詰め込まれた本作には、2000年代から2010年代のポップカルチャーやヒップホップ、そして青春の記憶をインスピレーションに、彼らが歩んできた道と「いま」を証明する全12曲を収録。
「あれ? まだ準備できていない気がするのに、時間はもう前に進んでる?」
アルバムタイトル『U:NFOLD』には、「広げる」「展開する」という意味と同時に、「未完成でありながら、いま目の前で起きているすべて」という意味が込められている。
10年前に好きだった音楽、昔描いていた夢。それらをただの「懐古」で終わらせるのではなく、現在の自分たちを形作る養分としてアップデート。
かつて聴いていたサウンドが時間の中で成長し、今のU:NUSの血肉となっていることを証明する、音楽的探求の旅でもある。
――炎の中に立ち、自分自身を見極めるための宣言
アルバムのタイトルトラック。レイジ、トラップ、ヒップホップをベースにした強烈な現代的サウンドに、重低音の808ベースと強気なラップが絡み合うマニフェスト的1曲。台北のランドマーク「101」を指すのと同時に、「One O One / One Of One」のダブルミーニングを持たせ、他人の評価やノイズを推進力に変えていく「いまのU:NUS」の圧倒的な存在感を提示している。
――親友(麻吉)がいれば、日常はいつでもパーティー!
2000年代のEDMとヒップホップ・パーティーカルチャーからインスピレーションを得た、最高にキャッチーな1曲。「どこへ行くか」よりも「誰と行くか」。仲間同士の言葉のいらない阿吽の呼吸を、明るいビートと口ずさみたくなるフックで表現した青春エナジー全開のトラック。
――愛がまだ複雑じゃなかった時代、誰かを好きになることは、とてもシンプルなことだった
City Popや80年代のレトロなラブソングの色彩を帯びた、駆け引きなしの直球ラブソング。レトロなシンセサイザーと軽快なグルーヴが、まるで昔のロマンチック・コメディ映画のような明るくキュートな雰囲気を演出。「好きになったら難しく考えない!」というピュアな恋心に胸が鳴る。
――「は? 何言ってんの?」理不尽な世界を笑い飛ばすユーモア
「供蝦毀(台湾語で『何言ってんの?』の意)」というタイトル通り、日常のコミュニケーションのすれ違いやネットのアンチに対する呆れを、ユーモアたっぷりに描いたウェストコースト風ヒップホップ。台湾語、英語、インドネシア語、日本語、韓国語が入り乱れる多言語フックと、Snoop Doggを彷彿とさせるリラックスしたグルーヴが癖になる。
――「次の人は、僕よりも君を愛してくれますように」
ネットミームから着想を得た、痛切な失恋ソング。2000年代のポップ・ヒップホップ・バラードを基調とし、BIGBANGのようなドラマチックな表現にオマージュを捧げている。心電図の音がまるで「死んでしまった心臓の鼓動」のように響く、エモーショナルで少し泥臭い愛情が胸を打つ1曲。
――桜が咲くとき、あの約束を果たしに行くよ
王道の青春学園ラブストーリーを、U:NUS流に再構築した胸熱トラック。シンセポップや80sレトロをベースに、バンドサウンドのダイナミズムをプラス。サビで応援歌のように叫ばれる「S!A!K!U!R!A!」のコーラスは、ライブで一緒に拳を振り上げて叫びたくなること間違いなしの起爆剤。
――もし人生が4000週間なら、1万週間は「2回分の人生」の待ち時間
失ってからも消えない深い想いを歌ったバラード。特筆すべきは、パーカッションを一切使用せず、メンバー4人の温かいボーカルと重なり合うハーモニーだけで構成されている点。U:NUSとして初めてサビを台湾語で歌い上げ、深く静かな余韻を残す。
――君の匂いで満たされたい、ちょっと強気な恋のサイン
ポップラップを基調とした、相手に夢中になっている状態を描いた楽曲。チェックマーク(V)、そして台湾語の「味(匂い)」の発音「Bi / V」のサウンドプレイを掛け合わせた言葉遊びが秀逸。彼らの持ち味であるリズミカルなラップで、少し自信過剰でやんちゃな恋心を歌い上げる。
――限界突破!「知ったこっちゃねえ!」と叫ぶ解放のアンセム
仕事、学業、人間関係……日常に積み重なる「〜すべき」というプレッシャーを投げ捨て、楽しむ主導権を取り戻すパーティーチューン。EDMとヒップホップが融合したサウンドに乗り、理屈抜きの「IDGAF」スピリットを大爆発させている。
――間違った時間に出会ってしまった、正しい人
ヒップホップ、ラップロック、フューチャーベースを融合させ、2016〜2017年頃の爆発的なエレクトロサウンドの記憶を呼び起こす楽曲。「間違った時間、間違った場所」で「正しい感情」を抱いてしまった切なさ。永遠に終わらないプラットホームに取り残されたような、パラレルワールドの恋を描く。
――シーンのルールを変えるため、U.F.Oに乗って襲来!
音楽シーンを巨大なパーティーに見立て、そこにU.F.Oで降臨し、ゲームのルールを塗り替えるという野心に満ちたトラップ・ヒップホップ。重厚なベースと攻撃的なビートは、彼らがシーンに登場したばかりの血気盛んな姿を彷彿とさせる。「U:NUS」「Fueling」「Outrage」のトリプルミーニングを持つU.F.Oが、フロアを制圧する。
――夢に期限はない。歩き続ければいつか必ずたどり着く
アルバムの最後を飾るのは、「10年前の自分たち」から「10年後の自分たち」へ宛てた手紙のような1曲。ポップラップ、レゲエ、ロック、R&Bが心地よく融合したサウンドに乗せて、「今はまだでも、いつか(Someday)夢は叶う」という強い信念を歌う。這いつくばって泥臭く進む今この瞬間こそが、未来から見れば美しい軌跡になる。アルバムのコアメッセージ「Everything is unfolding as it should.」を見事に回収。
「We unfold together.(僕たちは一緒に展開していく)」
ただのノスタルジーにとどまらず、過去の音楽的ルーツを咀嚼し、圧倒的なスキルと表現力で「現代のポップ・ミュージック」へと昇華させたU:NUSの『U:NFOLD』。25歳という等身大の彼らが鳴らすこの音は、同じように毎日をもがき、前へ進もうとしているリスナーの背中を力強く押してくれる。
過去の点と点が繋がり、未来への線となって展開していく瞬間を、ぜひアルバムを通して体感してください!