【BINI×Coachella】衣装と音楽に隠された「フィリピン魂」

公開日 2026年4月14日 最終更新日 2026年4月14日

(c) BINI / Facebook

フィリピン人グループとして初のコーチェラ出演という、かつてない挑戦に挑んだBINI。その成功を支えたのは、デザイナー、スタイリスト、そして編曲家たちが集結した「チーム・フィリピン」の飽くなきこだわりだった。

リサイクルプラスチックを黄金に変える魔法のような衣装制作から、民族楽器をモダンに昇華させた音作りまで、世界を熱狂させた舞台裏を解説!

伝統とサステナビリティを体現

(c) Job Dacon / X

45分間のパフォーマンス中、最も注目を集めたのは「Shagidi」から「Zero Pressure」への転換時に行われた衣装チェンジだ。

伝統的な帽子「サラコット」を被った力強い黄金の戦士の姿から、現代的な海の人魚を彷彿とさせるティールブルーの衣装へと瞬時に変身。SNSでも大きな話題となったBINIの衣装は、単なる華やかなステージ衣装に留まらない。

デザイナーのJob Dacon氏とMarian Zara氏の協力により、1人あたり約20〜25枚の本金箔と約900gのリサイクルプラスチックを使用。廃棄されたプラスチックを溶かし、特注の型に流し込んで一点一点手作業で金箔を貼るという、膨大な時間と労力を要する工程を経て、「独創性」と「持続可能性」を国際舞台で証明した。

フィリピンの遺産を宿したディテール

衣装の細部には、フィリピンの文化的ルーツが深く刻まれている。デザインの核となるフィリグリーは、フィリピンの伝統的な家屋に見られる「カラド」と呼ばれる透かし模様の様式をモチーフにしている。

さらに、衣装にはフィリピンの古文字である「バイバイン」を用いた繊細なビーズ細工が施され、物語性に深みを加えた。

また、伝統的な編みマット「バニグ」の質感を再現した刺繍や、バンタヤン島のホタテ貝から型を取った特注の装飾を取り入れるなど、随所に郷土の素材と技術への敬意が表れている。

アレンジに潜む民族の音

音楽チームは、BINIのポップな魅力を維持しつつ、国際舞台に相応しいフィリピン独自のサウンドを追求し、ダンスブレイクに竹製の口琴「クビン」や、青銅製のゴング楽器「クリンタン」の音色を取り入れ、これらを現代的なシンセサイザーと絶妙なバランスでミックスすることで、耳馴染みの良さと民族的な新しさを両立させた。

生演奏の躍動感を再現したレイヤー

「Pantropiko」などのヒット曲では、アジア的なフルートやクリンタンに近い響きを持つマリンバの音色をレイヤー状に重ねることで、ステージ上にバンドがいるかのような臨場感を生み出した。

制作陣は、BINIを初めて知る観客が後で楽曲を検索した際に違和感なく楽しめるよう、原曲の核心を守りつつ質感を高めることに細心の注意を払ったと明かしている。

次世代の才能

この歴史的なステージには、Star Hunt Academyの練習生であるJulianとLanceがバックダンサーとして加わり、共にステージを盛り上げた。

フィリピン人グループとして初めてコーチェラのメインステージに立った彼女たちの成功は、各分野が集結した「チーム・フィリピン」の情熱の結晶と言える。