MONO、伝統と現代を融合した2ndアルバム「Mỹ Điệu Ca」をリリース

公開日 2026年7月13日 最終更新日 2026年7月13日

(c) Mono

V-POP界を牽引する若きアーティスト・MONOが、7月9日に待望の2ndスタジオアルバム「Mỹ Điệu Ca」をリリースした。

大ヒットを記録したデビューアルバムから4年の歳月を経て生み出された本作は、全15曲を通して一つの壮大な物語を描くコンセプチュアルな作品となっている。

ベトナム音楽シーンを牽引する「MONO」4年ぶりの新作とは?

4年前、デビューアルバム「22」から「Waiting For You」「Em xinh」「Ôm em thật lâu」といったメガヒットを連発し、瞬く間にV-POP界のトップアーティストの仲間入りを果たしたMONO。キャッチーでトレンドを押さえた楽曲で若者の心を掴んだ彼ですが、その後は単発のヒット曲を量産してチャートを競う道を選ばなかった。

代わりに彼が選んだのは、自身の内面とじっくり向き合い、一つの大きなコンセプトを持った作品を創り上げること。そうして4年間という長い時間をかけて熟成されたのが、今回の2ndアルバム「Mỹ Điệu Ca」。

MONOの芸術的な進化は、こだわりの詰まったアルバムタイトルと、作品全体を貫く壮大なテーマに表れている。

タイトルに込められた3つの意味(美・調・歌)

アルバムのタイトルである「Mỹ Điệu Ca」には、MONO自身が構想段階から温めてきた3つの層の意味が込められている。「Mỹ」は美しさを、「Điệu」はリズムであり一つ一つの拍子に宿る繊細さ。そして「Ca」はアルバム全体を指し、本作の主人公である「詩を愛する公子」の歌を意味しており、これらが合わさることで一つの芸術的なテーマを形作っている。

根底に流れるテーマ「生きた遺産」

アルバム全体を構築する中心的なアイデアは「生きた遺産」だ。遺産とは、博物館のガラスケースの奥で静かに眠っているものではない。人々と共に歩み、変化し、適応し、世代を超えて書き足されていくものだ。MONOは、人間の「成長」もまた同じように変化していくものだと捉えている。感情は終わることなく痕跡を残し、記憶へと形を変え、その後の世界を見る視点の一部となっていく。この哲学が、アルバム全体に深く根付いている。

全15曲が紡ぐ愛と成長の物語!3つの章の世界観

『Mỹ Điệu Ca』は、感情の動きに合わせて3つの章に分けられている。全15曲がまるで木を彫刻していくように、章が進むごとに物語とサウンドが深みを増していく構成です。

第1章:Khởi điệu(起調)- 出会いと始まり

第1章にあたる「Khởi điệu」は、出会い、好奇心、そして希望に満ちた「始まり」の調べだ。「Công tử văn thơ」をはじめ、「Ai làm em buồn」「Gió mang hương về」「Mơ về em」「Sandwich & Story」「Hoa mặt trăng」の全6曲。視覚的なイメージとしては、切り出されたばかりの表面が粗く素朴な木の塊として表現されている。初めて出会い、心が揺れ動き、そばにいたいと願う、誰もが経験する感情が描かれており、未完成だからこそあらゆる可能性に満ちた初期の恋愛特有の軽やかさが、モダンポップやR&Bのサウンドに乗せて表現されている。

第2章:Biến điệu(変調)- 変化と葛藤

第2章の「Biến điệu」は、愛が人の価値観や生活のペースを変えていく「変動」と葛藤の調べだ。「Cuộc gặp gỡ」「Chạm tình」「Tuổi trẻ và đám mây」「Vì yêu mà đến」「Lưu ly」の5曲で構成され、歪みやグリッチが生じた木目が視覚的なイメージとして設定されている。この章では現実と夢の境界線が曖昧になり、複雑なアレンジが層のように重なり合う。MONOは振り返るのではなく、まさに今起きていることを書いたため、最も時間を費やしたと明かす通り、青春の不完全さや別れの残酷さがリアルに描かれた、アルバムの核となるパートだ。

第3章:Dư điệu(余調)- 嵐の後の静寂と余韻

第3章「Dư điệu」は、あらゆる変動の後に訪れる「定着」と、嵐の後の静寂を描く余韻の調べだ。「Chờ duyên」「Tuyết phủ」「Khăn mùi xoa」「Dòng sông – Điệu nghệ」の4曲が収録されており、深く精巧に彫り込まれた確かな質感を持つ美しい木目として視覚化されている。残るのは「終わり」ではなく、心の中に刻まれた「遺産」。アルバムの最後を飾る「Dòng sông – Điệu nghệ」は、熱烈なラブソングではなく、多くの嵐を通り抜けた人間ならではの、全てを包み込むような穏やかな視点で歌われている。

世界遺産フエ王宮で撮影!注目のリード曲MV「Công tử văn thơ」

「Mỹ Điệu Ca」は音楽だけでなく、視覚的にも統一されたアート作品となっている。その象徴が、リード曲「Công tử văn thơ」のミュージックビデオだ。

撮影は、ベトナムの歴史的建造物である世界遺産・フエの王宮で行われた。伝統的な宮廷空間と現代的なサウンドが融合する映像美は圧巻だ。

特に視聴者の目を引くのが、映像内に登場する15の巻物を背負った白馬。MONOによると、この15の巻物はアルバムに収録された15曲を暗示しており、白馬は人間が乗るためのものではなく、自ら道を導く存在として描かれている。

MONOの2ndアルバム「Mỹ Điệu Ca」は、単なる「流行りの曲」を消費するのではなく、音楽を通じて自己のアイデンティティや伝統文化、そして人生の成長を描き出している。その姿勢は、彼が真のアーティストへと飛躍を遂げたことを証明している。