菲道尔Firdhaus、新曲「地球是平的」をリリース

公開日 2026年4月18日 最終更新日 2026年4月18日

メタファーで描く、別れを受け入れられない心の葛藤

(c) 菲道尔Firdhaus / Facebook

マレーシアのシンガーソングライター・菲道尔(Firdhaus)が、失恋後の自己欺瞞と心の葛藤を、「地球は平らである」という明白な嘘に例えた切ない新曲「地球是平的」をリリースした。

言葉では「平気だ」と強がりながらも、裏側に隠しきれない未練を抱える人々の心情を、哲学的なメタファーを用いて表現している。

逆説としての「地球は平らだ」

別れた後、私たちは周囲に対して、そして自分自身に対しても「幸せだ」と嘘をつき続ける。その嘘が強固であればあるほど、日常は平静を取り戻したかのように見える。しかし、「地球は平らだ、君をもう愛していない」という言葉は、誰の目にも明らかな「成立し得ない嘘」だ。この曲は、そんな滑稽なほど必死な自己欺瞞の悲しさを浮き彫りにしている。

抱きしめられなかった日や、振り返らなかった瞬間。それらすべての後悔は、時間が経つとともに「私は幸せだ」という短い言葉の中に無理やり折り畳まれていく。口に出した瞬間に嘘だとわかる言葉であっても、それをあえて口にすることでしか保てない自尊心と、それを察してしまう聞き手の心理が、繊細な筆致で描かれている。

菲道尔が紡ぐ、共感を呼ぶ歌詞

菲道尔は、本作において、「認知のズレ」をテーマにした。「虹が白黒であるはずがない」ように、「地球が平らであるはずがない」ように、「あなたを愛さないことなど不可能だ」という真実へと帰結する構成は、リスナーの心に深い余韻を残す。

彼の持ち味である、温かみの中に哀愁を帯びた歌声は、強がることの痛みと、それを乗り越えようとする治癒の過程を等身大で表現し、単なる悲恋歌ではなく、自分の嘘を認めながらも一歩ずつ進もうとする人達の心に響く一曲となっている。