大物DJのブッキング事情とは?キム・ウンソン代表が語る「World DJ Festival」の裏側

公開日 2026年5月21日 最終更新日 2026年5月21日

韓国最大級のEDMフェスティバルとして絶大な人気を誇る「World DJ Festival(通称:WDJF)」。

今年で記念すべき20周年を迎えるフェスティバルの華やかなステージの裏側では、どのようなドラマが繰り広げられているのか?WDJFの総監督でありBEPC代表を務めるキム・ウンソン氏が「Staytuned 27話」に出演し、その裏側を明かした。

WDJFの哲学「フェスは一部のマニアではなく、大衆が楽しめる場所であるべき」

EDMフェスティバルと聞くと、コアな音楽ファンが集まるイメージを持つ方も多いかもしれない。しかし、キム・ウンソン代表は「フェスティバルは大衆にとって楽しくなければならない」と断言。

WDJFに訪れる観客のうち、本当にディープな音楽マニアは全体の10〜20%程度。残りの80〜90%は、純粋に音楽と空間を楽しみ、写真を撮って思い出を作りたい「フェス初心者や一般層」。そのため、メインステージでは誰もが知っているヒット曲を中心に構成し、よりディープな音楽はサブステージで展開するなど、全来場者が満足できる多様性とバランスを徹底して計算している。

気になるブッキングの裏側!アーティストの「ギャラ」はどう決まる?

フェスファンにとって最も気になるのが、海外DJのラインナップとキブッキング事情ではないだろうか。動画内では、普段は聞けないシビアな話題も飛び出した。

フェス運営における最大のミッションは「チケットを売ること」。そのため、ブッキングではアーティストの「チケットパワー」が最重要視される。YouTubeやSpotifyの再生回数を分析し、現在のトレンドと国内での知名度を徹底的にリサーチしてオファーを出しているそう。

さらに興味深いのがアーティスト同士のプライドをかけた戦いだ。「誰の後にプレイするのか」や「ポスターに掲載される自分のロゴの大きさ」を巡って意見が食い違い、最悪の場合、契約が破談になってしまうケースもあるという、フェス運営の生々しい裏話が語られた。

ファンからの疑問「なぜ蚕室(チャムシル)で開催しなくなったの?」

かつてWDJFは、アクセス抜群の「蚕室(チャムシル)総合運動場」で開催されていたが、現在はソウル郊外へと場所を移している。ファンの間でも「なぜ便利な蚕室でやらないのか?」と疑問に思う声が今なお多く上がっているが、これには避けられない都市開発の波と、フェスを守るための苦渋の決断が背景にある。

近年、蚕室周辺では高層マンションの建設が進み、それに伴ってフェスの重低音に対する周辺住民からの騒音苦情が激増した。キム代表は、フェスをこの先も長年存続させていくためには、自治体が定めるルールや音量規制を厳格に守り抜くことが不可欠だと語った。一部の観客からは「音が小さい」と不満が出ることもありますが、「ルールを破って音を大きくすることは簡単でも、それをすれば来年の開催許可は下りない」と断言。目先の盛り上がりよりも、フェス文化を韓国に根付かせ、守り続けることを最優先する総監督としての強い責任感が浮き彫りになった。

コロナ禍の無観客フェスに大金を投じた理由

WDJFの歴史を語る上で外せないのが、コロナ禍での対応だ。オフラインのイベントが全て中止になる中、WDJFは多額の費用を投じて、豪華なステージセットでの「無観客オンラインフェス」を開催した。

この決断の裏には、「WDJFの歴史を途絶えさせたくない」という思いに加え、仕事がなくなり配達員などのアルバイトで食いつなぐしかなかった「国内DJたちにステージと報酬を提供したい」という切実な願いがあった。この危機的状況での行動が、現在のWDJFへの信頼とブランド力に繋がっている。

20周年のWDJFは「レジェンド」たちが大集合

今年開催される20周年のWDJFは、「レジェンド」をコンセプトに掲げている。 Zedd、Eric Prydz、Armin van Buurenなど、一時代を築き、今なおトップを走り続けるレジェンドDJたちが集結。さらに、キム代表自身が演出を手掛けるレーザーや特殊効果をふんだんに使った「シグネチャーショー」は、過去最高のクオリティになることが約束されている。

「観客が払ったチケット代を絶対に後悔させない」と語るキム・ウンソン代表。その情熱と計算し尽くされたプロフェッショナルな運営があるからこそ、WDJFは長年にわたり愛され続けているのだ。

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