公開日 2026年4月16日 最終更新日 2026年4月16日

NOMAD MGMT VIETNAMやVie Channelを傘下に持つベトナムのメディア・エンターテインメント大手、DatVietVACが、2026年内の新規株式公開(IPO)に向けた計画を明らかにした。
同社は、2025年度に記録した力強い業績と、独自の知的財産(IP)戦略を武器に、さらなる飛躍を目指す。
DatVietVACは2025年度、売上高3兆2,350億ドン(約194億円)、税引後利益3,800億ドン(約22.8億円)という極めて堅調な決算を記録した。
この成果を背景に、同社は現在ベトナム国家証券委員会に書類を提出しており、2026年後半にはホーチミン証券取引所(HOSE)またはハノイ証券取引所(HNX)への上場を予定している。
また、2026年度については売上高3兆3,820億ドン、純利益4,200億ドンという、さらなる増収増益の強気な目標を掲げている。
同社の副会長兼ゼネラルディレクターである Đào Văn Kính 氏は、IPOの主な目的として資金調達能力の強化を挙げている。
調達された資金は、才能あるタレントを養成・マネジメントするアーティスト育成事業の拡大や、大規模な教育・トレーニング機関を対象としたM&A(合併・買収)に投じられる方針だ。
さらに、戦略・開発担当ディレクターの Phan Đăng Hưng 氏によれば、上場によって得られたリソースは、消費者に直接コンテンツを届けるダイレクト・ツー・コンシューマー(D2C)基盤の構築にも活用される。
現在の同社の成長を支える核となっているのは、「Say Hi宇宙(Vũ trụ Say Hi)」と名付けられた独自の知的財産(IP)ブランドだ。
このエコシステム全体の売上高はすでに1兆ドンを突破しており、なかでも看板番組である「Anh Trai “Say Hi”」は単体で4,800億ドンを売り上げる巨大コンテンツへと成長した。
同社の最大の強みは、コンテンツの創造からフォーマット開発、多プラットフォーム展開まで、IPのバリューチェーン全体を自社で一貫して掌握している点にありる。
これにより、単なる番組制作に留まらない高い収益性と、国内外への拡張性を同時に実現。
昨年米国ラスベガスで開催された「Say Hi」コンサートの成功は、その国際的な競争力を象徴する出来事となった。
ベトナム政府が現在、文化産業を国家成長の重要な柱(決議第80-NQ/TW)と位置づけていることも、同社にとって大きな追い風だ。
国家予算の最低2%を文化分野へ割り当てる方針や、インフラ整備・税制面での優遇措置は、民間企業の成長を直接的に後押ししている。
ベトナムのエンターテインメント・メディア市場は2026年までに約24億ドル規模に達すると予測されており、大規模なパフォーマンス会場やスタジアムの整備も急速に進んでいる。
DatVietVACは、これら良好な市場環境を最大限に活用し、テクノロジーとコンテンツを融合させた独自のメディアエコシステムをさらに強固なものにしていく構えだ。