公開日 2026年5月13日 最終更新日 2026年5月13日

世間がエイプリルフールで盛り上がっている時、Terry Zhong(种天利)はあえて「本音」を明かした。
人気アーティストであるTerry Zhongが、Sony MusicとTencent Music Entertainmentが設立したLiquid Stateとの契約を終了し、独立運営へと舵を切ることを発表。
彼が明かした「修正の末に面影を失う楽曲たち」への苦悩、そして資本主義的な音楽制作への「NO」は、今の音楽シーンに何を問いかけるのか。
4月1日、Terry Zhongが自身のSNSで発信したメッセージには、数年にわたるレーベル所属期間中に抱えてきた、クリエイターとしてのリアルな葛藤が綴られていた。
Terryが過去数年間に生み出してきた楽曲。その中には、彼が「自分に正直である」と確信を持てる、純粋な感情を注ぎ込んだ作品が数多く存在した。しかし、それらがそのままの形でリリースされることはほとんどなかった。
制作の最終段階で、常に立ちはだかったのは「この曲にはヒットの要素が足りない」「爆発的なポテンシャルが不十分だ」「もっと大衆受けさせなければならない」といった理由での修正。
商業的成功を至上命題とする「資本の論理」によって、彼のありのままの感情は削られ、磨かれ、最終的には原型をとどめないほどに改変されてしまったという。
Terryは、共に歩んできたチームへの敬意を忘れてはいない。「彼らはこの地球上で最高の人々だ」と前置きした上で、彼は業界全体の構造的な病理を鋭く指摘している。
企業である以上、利益を追求し、持続可能なビジネスモデルとして「誰もが口ずさめるヒット曲」を求めるのは当然だ。しかし、Terryはこう断言する。
「ヒット曲を作るのに、決まった方程式なんて存在しない。誰もが成功を複製しようとするが、次に何がヒットするかは誰にも予測できないのが現実」
不確実な「正解」を求めてクリエイティビティが犠牲になり、アーティスト自身が「麻痺」してしまう。この皮肉なループから抜け出し、表現の主権を取り戻すこと。それが、彼が独立を選んだ最大の理由だった。
独立したTerry Zhongがこれから目指すのは、極めて純度の高い音楽体験だ。彼はそれを「Organic」と表現している。
「今まで言いたかったこと、ありのままのメロディ、想い。それらを、最もオーガニックな形で届けたい」
巨大な資本のフィルターを介さず、アーティストの心臓の鼓動がそのまま伝わるような音楽。それは、SNSやアルゴリズムによって消費される「コンテンツ」ではなく、人間としての「表現」への回帰でもある。
Terry Zhongの独立は、単なる一アーティストの契約満了というニュースに留まらない。 それは、数字やアルゴリズムが支配する現代の音楽シーンにおいて、「芸術の整合性」と「商業的成功」をいかに両立させるかという根源的な問いを投げかけている。
かつて「ヒットしない」という理由でボツにされた「本物の感情」が、ありのままの姿で届けられるようになること。 彼の新しい旅路が、音楽が単なる消耗品ではなく、個人の魂の共鳴であるための新たな選択肢の一つとなるのか、その動向に注目が集まっている。