公開日 2026年4月23日 最終更新日 2026年4月23日

ベトナム音楽シーンを牽引する人気アーティストのHIEUTHUHAIが、4月22日、待望の2ndアルバム「Mắt Nhắm Mắt Mở」をリリースした。
事前のトラックリスト公開やティーザー告知を一切行わない「完全サプライズ」の手法で発表された本作は、切ないラブソングから、自身のキャリアや偏見に対する鋭いラップまで、彼のアーティストとしての進化と複雑な内面を深く掘り下げた注目作となっている。
現代の音楽業界において、新譜のリリース前には大規模なプロモーションが行われるのが一般的。
しかし、HIEUTHUHAIは今回「No tracklist, no sampler, just play(トラックリストなし、サンプラーなし、ただ再生するだけ)」という大胆な戦略をとり、リスナーに「初めて音楽に触れる純粋な驚きと体験」を提供するため、情報は直前まで伏せられていた。
さらに、22日の21時21分に公開された「Album Listening Experience」ビデオも、豪華なセットを排したミニマルな白い空間で、彼自身が「家」を組み立てるという象徴的な映像に。これは彼のキャリア構築の道のりを表すと同時に、視覚よりも「音楽そのもの」に集中してほしいというメッセージが込められている。
アルバムタイトル「Mắt Nhắm Mắt Mở」は、直訳すると「目を閉じて、目を開けて」。
認識と現実の二面性を示唆し、深く内省的なトーンと重層的なストーリーテリングが印象的で、音楽的には、ポップス、ラップ、そしてモダンなベトナムヒップホップを融合した。
アルバムの約3分の2は「愛」をテーマにしており、甘い恋愛模様から、失恋の痛み、感情的な依存まで、多様な愛の形をポップなメロディラインに乗せて歌い上げている。
一方で、アルバムの終盤は空気が一変。「Vacheron Louie V」から始まるラスト3曲では、HIEUTHUHAIが本来の得意領域である「ラップ」に回帰。自身のキャリア、名声へのプレッシャー、そして世間の偏見に対するアンサーをハードに刻み込み、SNS上でも「耳が洗われるようだ」と絶賛を集めている。
「Mắt Nhắm Mắt Mở」は、単なるヒット曲の寄せ集めではなく、一つの「リスニング体験」として緻密に計算されたコンセプチュアルな作品となっており、ボーカル表現への挑戦を見せつつ、最終的にはトップラッパーとしての圧倒的なスキルと謙虚なマインドセットでリスナーをねじ伏せる構成は、彼がなぜこれほど早くA級スターの座に上り詰めたのかを証明している。
ベトナムの音楽シーンに新たな基準を打ち立てたHIEUTHUHAIの最新作を、ぜひ最初から最後まで「スキップなし」で体感してみてください。