公開日 2026年11月3日 最終更新日 2026年11月3日

近年、Spotifyにおけるインド人アーティストの海外再生回数が2019年から2023年にかけて2,000%以上増加するなど、グローバルな音楽シーンでインド音楽の存在感が爆発的に高まっている。ヒップホップやパンジャブ・ポップが世界のチャートを席巻し、映画音楽もメガヒットを記録する中、その計り知れない全貌を捉えた史上初の総合ディスクガイド『インド音楽ディスクガイドーーオールジャンルの名盤でたどるインド・ポピュラー音楽100年「超」史』が、2026年11月10日(火)に日本国内で刊行される。
14億人を超える巨大な市場を持ち、独自の発展を遂げてきたインド音楽。本書では、北インドや南インドの古典音楽から、映画音楽(ボリウッド)、ロック、ジャズ、ディスコ、エレクトロ、そして最新のI-POPやヒップホップに至るまで、400枚以上の名盤をオールカラーで紹介している。
特にアジタメ読者にとって見逃せないのが、第4章「現代インドのポップ・カルチャー」である。K-POP世代の台頭とともに新たな市場を形成するI-POPシーンや、Baba Sehgal、Yo Yo Honey Singhらによって巨大化したヒップホップシーン、そしてRaja Kumariをはじめとする女性ラッパーたちの躍進など、現在進行形のポップカルチャーを詳細に解説。次世代I-POPアーティストであるW.i.S.H.や、フィメールラッパーのDee MCなど、現行シーンを牽引する重要アーティスト、現地のレコード店主や映画監督への独占インタビューも多数収録されており、現地で今まさに起きている熱狂を肌で感じることができる内容だ。
第2章では、大衆文化の中心として巨大化した映画音楽の歴史を深掘りする。R.D. BurmanやA.R. Rahmanといった革新的な音楽家の功績から、最新映画の世界的ヒットの背景までを網羅。さらに第3章では、The Beatlesの訪問を機に広がったロックシーンや、Bappi Lahiri、Bidduらが牽引したディスコ、そしてCharanjit Singhからゴア・トランスへと連なるエレクトロの系譜など、インド特有のミクスチャー文化の歴史が音源とともに紐解かれている。
日本国内では、ディスクユニオン、TOWER RECORDS、HMV、Amazon、楽天ブックス、そして全国の書店にて広く展開される。アジアのエンタメや世界のポップミュージックの「次」を探求するリスナーにとって、まさに一家に一冊の決定版ガイドと言えるだろう。
まえがき――多様で巨大なインド音楽の世界を一冊で
Chapter 1: インドの地域・文化・社会
インドの地域と言語――インド音楽を形づくる地域文化
ヒンドゥスターニー音楽――北インド古典音楽
カルナーティック音楽――南インド古典音楽
専門店に聞くインド伝統楽器の魅力(ティラキタ)
南アジアの映画が映す美術(福岡アジア美術館)
[インタヴュー]ノウシーン・ハーン監督――社会問題と音楽
[ディスクガイド]古典音楽
Chapter 2: インド映画と音楽
インド人にとっての映画と音楽
映画音楽 1930’s~1960’s――インド映画黎明期とプレイバック・シンガーの誕生
[ディスクガイド]映画音楽 1930’s~1960’s
映画音楽 1970’s~1990’s――映画が大衆文化の中心となった黄金時代
[ディスクガイド]映画音楽 1970’s~1990’s
映画音楽 2000’s~2010’s――世界進出と地域映画の発展が進んだ激動の時代
[ディスクガイド]映画音楽 2000’s~2010’s
映画音楽 2020’s~――世界を目指すインド映画音楽の現在地
[ディスクガイド]映画音楽 2020’s~
[インタヴュー]ショー・ポリス
[インタヴュー]アヌシュカ・セン
実は珍しい!? インドの「音楽」ドラマ/映画
Chapter 3: インドのポピュラー・ミュージック
インドにおける音楽メディアの変遷
[インタヴュー]ムンバイのレコード店店主に聞く現地の事情
多様な文化が織りなすインド・ロックの軌跡
[インタヴュー]ピーケイ
[ディスクガイド]ロック
欧米と相互に影響を交わしながら育まれたインド・ジャズ
[ディスクガイド]ジャズ
ディアスポラとの往還が育んだデシ・エレクトロ
[ディスクガイド]エレクトロ
民謡をルーツに世界へ広がった祝祭の音楽パンジャブ/バングラ
[インタヴュー]スブヒ
[ディスクガイド]パンジャブ/バングラ
欧米ポップス受容とボリウッド・ディスコの成立
[インタヴュー]タラン・ジョセフ
[ディスクガイド]ディスコ
Chapter 4: 現代インドのポップ・カルチャー
巨大なシーンへと成長したインド・ヒップホップの変遷
[ディスクガイド]ヒップホップ
男性優位的なインド社会を切り開くラッパーたちの闘争
[インタヴュー]Dee MC
[ディスクガイド]フィメール・ヒップホップ
I-POP――独立したポップ市場の誕生からK-POP世代の台頭まで
[インタヴュー]W.i.S.H.
[インタヴュー]イプシター
世界屈指のオーディション番組大国
[ディスクガイド]I-POP
バフィー吉川(ばふぃーよしかわ)
映画・インド現代音楽評論家。2003年頃からデシ・フュージョンを物色し始め、東西南北4700本以上のインド映画を鑑賞してきた。2021年から様々なメディアに寄稿し、「アフター6ジャンクション」や「ZIP!」といった番組にも出演。2022年の「ABUソングフェスティバル in インディア」がNHKで放送された際には、VTR選曲と監修を務めた。インド映画や音楽にとどまらず、漫画やゲームなど、インドエンタメ全般を網羅。5年間で60人以上の映画関係者やアーティストにインタヴューを行ってきた。2024年にはインド音楽情報サイト「NEXT InDoor」を開設。現在はNiEW、リアルサウンド、エンタメネクストなどのウェブメディアへの寄稿や、「映画秘宝」においてコラム「映画とカルチャー:インド編」を連載中。

書名:インド音楽ディスクガイド
副題:オールジャンルの名盤でたどるインド・ポピュラー音楽100年「超」史
著者:バフィー吉川
本文デザイン:高橋力、布谷チエ( m.b.llc.)
仕様:A5/並製/オールカラー224ページ
定価:本体2,700円+税
ISBN:978-4-86647-280-5
発売日:2026年11月10日
発売元:株式会社ディスクユニオン
発行元:DU BOOKS