マレーシアの年越し音楽フェス「Pinkfish Countdown」、昨年の死亡事故を受けキャンセルを発表

公開日 2025年10月18日 最終更新日 2025年10月18日

(c) Pinkfish Countdown / Facebook

2025年12月31日に開催が予定されていたマレーシアの年越し音楽フェスティバル「Pinkfish Countdown」が、正式に開催中止を発表した。昨年、薬物関連とみられる4人の死亡事故が起きた同イベント。主催者は「コントロールできない状況」を中止の理由として挙げている。

主催者が声明を発表「安全な体験を最優先」

イベント主催者のPinkfish Festivalは公式サイトおよびSNSで声明を発表。「私たちのコントロールを超える状況のため」、2025年の大晦日に予定していたカウントダウンイベントの中止を決定したと述べた。

声明では「私たちの最優先事項は、常に安全でポジティブ、そして記憶に残る体験を皆様に提供することです。それ以下のものを提供することは望んでいません」と、来場者の安全を確保できない可能性を示唆し、苦渋の決断であったことを説明している。

中止の背景にある昨年の悲劇

この決定の背景には、昨年のイベントで発生した悲劇的な事故がある。

2024年12月31日にサンウェイ・ラグーンで開催された「Pinkfish Countdown」では、参加者4人が死亡、複数人が体調不良を訴え病院に搬送された。 その後の警察の調査により、被害者の血液サンプルから薬物の痕跡が検出されたことが判明。当局は、薬物が会場内で違法に売買された可能性が高いとみている。

この事件はマレーシア社会に大きな衝撃を与え、セランゴール州政府がコンサートの開催許可を一時的に停止し、イベント運営のガイドラインを見直す事態にまで発展した。

チケットの払い戻しについて

主催者は、すでにチケットを購入した人に対し、「返金に関する情報については、ご登録のメールをご確認ください」と案内しています。チケット購入者は、主催者からのメールを確認することが推奨さている。

また、主催者は「将来的により良い音楽フェスティバルを企画するために積極的に取り組んでいます」とも述べており、最新情報については公式のソーシャルメディアをフォローするよう呼びかけている。

昨年の悲劇を乗り越え、安全なイベント運営への強い決意がうかがえる今回の中止発表。音楽ファンからは残念がる声とともに、主催者の判断を支持する声も上がっており、今後の動向に注目が集まっている。