Obito、新曲MV「Dạo Này」をクリスマス瞬間に公開!計算された「4分間の魔法」と楽曲に込められた想いとは?

公開日 2026年1月1日 最終更新日 2026年1月1日

(c) Obito/Facebook

ベトナムの人気ラッパー・シンガーソングライターのObitoが、クリスマスイブの夜に特別な演出と共に新曲MVをドロップした。

12月24日の23時56分という「中途半端な時間」に公開されたMV「Dạo Này」。しかし、その公開時間には、リスナーの心を揺さぶる緻密な計算と、Obitoならではのロマンチックな仕掛けが隠されていた。

23時56分公開の秘密:クリスマスの幕開けと共に

12月24日の夜、時計の針が23時56分を回ったその瞬間、Obitoは新曲「Dạo Này」のミュージックビデオを公開した。

通常、楽曲リリースは0時ちょうどに行われるのが一般的ですが、今回の時間は決して偶然ではない。

このMVの再生時間は約5分間。つまり、MVを見始めた視聴者が最後のシーンを見届けると同時に、時計が12月25日の0時00分を指すように計算されていたのだ。

クリスマスイブからクリスマス当日へ。その「日付が変わる瞬間」をMVの視聴体験とシンクロさせるという、なんとも粋な演出。これは単なるリリースではなく、時間軸そのものを作品の一部に取り込んだ、Obitoからのクリスマスプレゼントと言えるだろう。

「最近どう?」静寂の中に漂う大人のセンチメンタリズム

タイトルの「Dạo Này」は、日本語で「最近」や「この頃」という意味を持つ。

この楽曲は、時間が経過してもなお、「あの人は最近どうしているだろうか」と問いかけ続ける男性の静かな思考の流れを描いている。主人公は、溢れ出る感情を大声で叫ぶことも、誰かに打ち明けることもしない。ただひたすらに仕事に没頭し、言えなかった言葉を心の中に沈殿させていく――そんな不器用でリアルな姿が映し出されている。

MVの映像と音楽は、あえて派手な演出を削ぎ落とし、「余白」を大切に作られている。その静けさがかえって楽曲に深みを与え、視聴者は自身の経験や、「あの頃」の記憶を重ね合わせずにはいられなくなるだろう。

年末の喧騒に訪れる「心の休憩所」として

「Dạo Này」が描くのは、悲しみで溢れているわけでも、手放しで喜んでいるわけでもない、非常に人間味のある「感情の境界線」だ。

人々が一年を振り返り、新しい年へと向かう準備をするこの季節。

このMVは、慌ただしい年末の時間の中でふと立ち止まり、過去の感情に優しく蓋をして、また前を向くための「区切り」のような役割を果たしている。

「深呼吸をして、新しいチャプターへ進む人」

「過去の思い出に微かな笑みを浮かべ、そっと幕を引く人」

12月25日という節目のタイミングで公開されたこの楽曲は、聴く人それぞれの「答え合わせ」に寄り添う、完璧なバックグラウンドミュージックとなっている。