マレーシアの人気ガールズグループ「DOLLA」、新曲MVが公開停止に。衣装への批判と文化的配慮を巡り波紋

公開日 2025年11月28日 最終更新日 2025年11月28日

(c) DOLLA / Facebook

マレーシアの人気ガールズグループ DOLLA の最新ミュージックビデオが、公開直後に削除される事態となった。

ユニバーサル・ミュージック・マレーシアは11月15日、DOLLAの新曲『Question』のMVを取り下げることを発表。

その背景には、現地の文化的・宗教的規範に対する一般からの批判があった。

文化的価値観と「過激さ」の境界線

ユニバーサル・ミュージック・マレーシアのキム・リム(Kim Lim)マネージング・ディレクターは声明の中で、今回の決定は世論のフィードバックを検討し、コンテンツを再評価した結果であると説明している。

「マレーシアという多様なエコシステムの中で活動するレコード会社として、私たちは常に文化的価値観、宗教的感受性、そしてファンの皆様の意見を尊重しています」同氏はさらに、「創造性や芸術的表現は、現地の規範への意識と共存しなければならない」 と強調。「調和と相互尊重を守るための適切な措置」として、MVの公開停止を決断したとしている。

政府閣僚や宗教家からの厳しい視線

今回のMV削除の背景には、単なるSNS上の批判だけでなく、政府や宗教界からの圧力もあったようだ。

  • 宗教担当大臣の動き: 首相府のMohd Na’im Mokhtar宗教担当相は、今回の件を受け、シャリア(イスラム法)に違反していないか調査を行うと述べている。
  • 著名説教師による批判:著名な説教師であるAsma’ Harun氏も、同MVを「不道徳である」と公然と批判。これを受け、レーベル側は今後のクリエイティブ・プロジェクトにおいて、より厳格な社内チェックを行うことを約束している。

マレーシアのエンタメ界が抱える課題

今回の騒動は、マレーシアのエンターテインメント業界における「表現の自由」と「文化的・宗教的配慮」の繊細なバランスを改めて浮き彫りにした。

多民族・多宗教国家であるマレーシアにおいて、コンテンツクリエイターは多様な社会的・宗教的期待の中で活動する必要があり、DOLLAのような現代的なポップグループであっても、その表現方法には慎重な舵取りが求められている。