公開日 2025年9月18日 最終更新日 2025年9月18日
K-POPの世界的成功を皮切りに、今やアジア全域の多様なカルチャーを背景に持つアーティストたちが、そのユニークな感性でグローバルなリスナーの心を掴んでいる。
この記事では、今まさに注目すべきアーティストを6組紹介する。
ヤンゴンを拠点に活動するY3llOは、1999年10月生まれの若きDJ兼音楽プロデューサーだ。
2018年のデビュー以来、そのエネルギッシュで独創的なサウンドは国境を越え、エレクトロニックミュージック界のトップランナーたちをも魅了している。
ミャンマーの人気歌手Bunny Phyoeとのコラボ曲『Coffee Aye』の大ヒットで知られるようになったY3llOは、EDMだけでなくヒップホップやポップスなど、ジャンルレスな楽曲が次々とヒット。80万人を超えるFacebookフォロワーを擁するなど、インフルエンサーとしても存在感を放ち、ミャンマーで影響力のあるアーティストの一人として確固たる地位を築いた。
Y3llOの最大の武器は、「Baile Funk」や「Favela Bass」を軸に、テックハウスやベースミュージックなど、多彩なジャンルの要素を大胆に融合させた独自のサウンドだ。彼のDJセットは常に高エネルギーで、フロアを熱狂の渦に巻き込み、一度聴いたら忘れられない中毒性の高いビートで、オーディエンスを踊らせている。
Y3llOの才能は、SkrillexやFred Againといった世界的なトップDJたちからも支持されている。
特に彼が手掛けたリミックスは評価が高く、「Ultra Music Festival Miami」でもプレイされるなど、その影響力はグローバルに拡大している。
Y3llOの活動は自身の制作活動にとどまらない。ミャンマー国内のDJコミュニティの発展にも力を注いでおり、仲間と共に「Myanmar DJ Meet-Up」といったイベントを開催。シーン全体のレベルアップと後進の育成にも貢献しており、名実ともにミャンマーの音楽シーンをリードする存在となった。
ミャンマーという場所から、自身の情熱と才能で世界への扉をこじ開けたY3llO。
幸福を象徴する名前の通り、オーディエンスに「幸福」と「興奮」をもたらす彼の今後の活躍に注目が集まっている。
ベトナムの音楽シーンで今、大きな注目を集めている若手女性歌手、Ánh Sáng AZA。
2006年生まれの彼女は、人気アイドルグループでの活動を経て、2024年に待望のソロデビューを果たし、その多彩な才能とZ世代の感性を反映した音楽性で、多くのファンを魅了している。
Ánh Sáng AZA(本名:Nguyễn Lê Ngọc Ánh Sáng)のキャリアは、12歳の時に日本のAKB48の姉妹グループであるSGO48に加入したことから始まる。グループ内でも特に人気と知名度の高いメンバーの一人として、多くの楽曲やプロジェクトに参加。海外ツアーや日本の雑誌の表紙を飾るなど、若くして貴重な経験を積んだ。
2021年にSGO48が解散すると、一時的に学業に専念。しかし、その間もモデルやブランドアンバサダーとして活動を続け、その存在感を示し続けた。
2024年、Ánh Sáng AZAはタイで開催されたアイドルサバイバル番組「Chuang Asia 2024」に参加し、再び表舞台へと戻ってきた。この経験を経て、アーティストとしてさらなる成長を遂げた彼女は、初のソロEP「AZA」とミュージックビデオ「Cho Chia Tay」をリリース。
リード曲の「Chờ Chia Tay」は、ヒットメーカーとして知られるKai Đinhが作曲した、キャッチーでモダンなポップソングで、「別れを体験してみたい」と願う10代の少女のユニークな空想を描いたミュージックビデオも話題を呼んだ。
EP「AZA」は、この曲を含む全3曲で構成されており、彼女自身も「USO」と「Do Em」の2曲で共同作詞を担当。18歳の複雑な心境やZ世代ならではの恋愛観を、若々しいサウンドに乗せて表現している。
彼女の魅力は、その音楽性だけにとどまらず歌やダンス、ラップはもちろん、演技やモデルとしても才能を発揮。これまでにも数々のバラエティ番組に出演し、お茶の間でも親しまれてきた。
さらに、ベトナム語、英語、タイ語、日本語の4か国語を話すことができ、その語学力は彼女の国際的な活躍の可能性を大きく広げている。
最近では、ベトナムの人気音楽番組「Em Xinh ”Say Hi”」に出演。番組の最年少参加者でありながら、各ステージで変幻自在な姿を見せ、序盤から高い評価を獲得。惜しくも途中で脱落となりましたが、彼女のハイレベルなパフォーマンスは多くの視聴者に強い印象を残し、SNSのフォロワー数が5倍に急増するなど、その人気を証明。
アイドルとしての確かな経験を基盤に、ソロアーティストとして新たなキャリアをスタートさせたÁnh Sáng AZA。その豊かな才能とユニークな個性で、次世代スターとなることが期待されている。
2024年6月16日にデビューMV「Hit My Head」をリリースしたZOEは、単なる新人アーティストではない。幼少期からダンスで培った確かな実力と、ヨーロッパでの豊富な経験を武器に、国際的な活躍が期待される逸材だ。
ZOEのアーティストとしての基盤は、その卓越したダンスパフォーマンスにある。
彼女の芸術への旅は12歳でクラシックバレエを始めたことからスタートした。ホーチミン市で6年間もの正式なトレーニングを受けた後、さらなる高みを目指して単身ドイツへ。
現地の名門コンテンポラリーダンスアカデミーで、バレエに加え、ジャズ、ヒップホップ、コンテンポラリーダンスといった多様なジャンルのダンスを習得。
プロのダンサーとしてもその経歴は華々しく、ベトナムの著名なダンスカンパニー「Arabesque Dance Company」に所属し、数々の国際芸術祭への参加、ヨーロッパの有名振付師とのコラボレーションなど、世界を舞台に経験を積んできた。フリーランスのダンサー、振付師として多くのアートプロジェクトやミュージックビデオにも参加しており、国内外で数々の賞を受賞した実績は、彼女のたゆまぬ努力と実力の証だ。
そんな彼女の才能に、世界が注目し始めている。ZOEは、ヨーロッパの大手レコードレーベル「Menart」とのパートナーシップ契約を締結した。このレーベルは、ソニーミュージックヨーロッパの東南ヨーロッパにおける独占販売代理店でもある。
特筆すべきは、ZOEがMenartと提携する初のアジア人女性ポップアーティストであるという点だ。これは、彼女の音楽が近い将来、ベトナム国内にとどまらず、国際市場へと届けられる大きな一歩を意味する。
長年のダンス経験に裏打ちされたパフォーマンス力はもちろん、明るいルックスと、自身の表現したいものを緻密に考える芸術的思考力もZOEの大きな魅力だ。V-POP界の期待の新人として、着実にその存在感を高めている。
彼女の旅はまだ始まったばかりですが、その真剣で計画的な姿勢は、今後の大きな飛躍を予感させる。
デビュー曲「Hit My Head」は、彼女のダンススキルが存分に発揮された若々しくモダンなダンスポップソング。
単なるラブストーリーではなく、「過去の混乱を手放し、勇気を持って前に進む」という前向きなメッセージが込められている。
年末にはデビューアルバムをリリースする予定で、世界レベルのパフォーマンスと強い意志を武器に、V-POPシーンから世界へと羽ばたこうとするZOE。
彼女の今後の活躍から目が離せない!
2025年、音楽シーンに新たな才能が彗星のごとく現れた、タイ出身のシンガーソングライターLOOKWAI。
Sony Music Japanとタイの人気音楽レーベル「What The Duck」が共同で立ち上げたグローバルプロジェクトの第1弾アーティストとして、2025年8月26日に華々しく世界デビューした。
LOOKWAIは、音楽一家に生まれ、幼い頃から自然と音楽に親しんできた。ピアノやギターを手にし、遊びの中から音楽的センスを磨いていった彼女は、なんと12歳という若さで自作曲の制作をスタート。その才能は早くから開花していた。
彼女のデビューは、単なる新人アーティストの登場ではない。Sony Music Japanと、タイで数々の人気アーティストを輩出する音楽レーベル「What The Duck」がタッグを組んだ、グローバルコラボプロジェクトの第1弾アーティストという大きな期待を背負っている。このプロジェクトは、タイの才能を世界へ発信することを目的としており、LOOKWAIはその記念すべき第一走者に選ばれたのだ。
デビューシングル「You Still Do」は、失恋をテーマにしながらも、悲しみに暮れるだけではない、現代的な強さを描いた楽曲。Z世代の心に響く新しい形の失恋ソングとして、共感を集めている。
LOOKWAIの魅力は音楽だけにとどまらない。モデルとしても活動しており、その卓越したスタイルと表現力はファッション業界からも熱い視線を浴びている。
音楽で自らの内面を表現し、ファッションでその世界観を体現する。彼女は、音楽とファッションという2つのカルチャーを自由に行き来する、まさに「新時代のミューズ」と呼ぶにふさわしい存在感を放っている。
台湾と韓国の合同サバイバルオーディション番組「SCOOL」から生まれたSEVENTOEIGHTは、台湾とマレーシア出身メンバーで構成されながらも、韓国で堂々のデビューを果たし、現地メディアから「台湾の隠れた宝石」と絶賛されている。
SEVENTOEIGHTは、2024年に放送されたサバイバル番組「SCOOL」を通じて選ばれた麒文(Chiwon)、美祥(M)、义翔(EXXI)、學駿(Kyojun)、柏佑(Jagger)、帝翁(D’OM)の6人からなる。
グループ名の「SEVENTOEIGHT」は、「幸運の数字7」と「無限の可能性を表す8」を組み合わせたもの。彼らのファンは「EECH(イーチ)」と呼ばれ、7+2+8=17から取られた「共に(一起)」という意味の発音がかけられており、「ファンと共に歩んでいく」という想いが込められている。
デビュー当日、ソウルで開催されたショーケースには50以上の韓国メディアが集結。彼らは夏の爽やかさを感じさせる「PDSR(Please Don’t Stop the Rain)」と、パワフルなダンスナンバー「DRIP & DROP」の2曲を披露し、新人とは思えない爆発的なパフォーマンスで会場を魅了。
この鮮烈なデビューはすぐに結果となって表れ、台湾のiTunesホットソングチャートでは「PDSR(Please Don’t Stop the Rain)」が1位、「DRIP & DROP」が3位を記録。彼らの実力と人気を証明した。
デビューショーケースでは約1時間に及んだインタビューを、メンバー全員が通訳なしの韓国語で対応。デビューに向けて、毎日3時間の集中レッスンを重ねてきた努力が実を結び、プロフェッショナルな姿勢に称賛の声が上がった。
メンバーのEXXIは、高音パートを安定させるために「3kgの靴を履いて30分以上縄跳びをしながら歌う」という過酷なトレーニングを積んだことを明かしており、彼らのパフォーマンスがいかに血と汗の滲む努力の結晶であるかを物語っている。
彼らがロールモデルとして名前を挙げるのは、BTS、SEVENTEEN、ENHYPENといった世界的なK-POPグループ。
台湾からK-POPの本場・韓国へと第一歩を踏み出したSEVENTOEIGHT。確かな実力とひたむきな努力を武器に、世界の舞台へと羽ばたいていく。
P-POP界に、甘くて刺激的なガールズグループが登場した。その名も「Sugar N’ Spice」。Viva Artists AgencyとVicor Musicが共同でプロデュースするグループで、Angel、Dona、Kaye、Alaena、Suzanne、IA、Vyahの7人からなる。
彼女たちの遊び心あふれるボーカルと、一度聴いたら耳から離れないキャッチーなメロディーが融合したデビュー曲「Sugar Sugar」は、恋する気持ちの高鳴りを”シュガーラッシュ”に例えた、ポップでキュートな一曲だ。
この「Sugar Sugar」は、ミュージックビデオの公開前から話題となっていた。Rabin AngelesとAngela Mujiが主演するViva Onewebシリーズ「Seducing Drake Palma」の公式テーマソングに起用され、多くの視聴者の心を掴んでいたのだ。
8月8日午後8時に公開されたミュージックビデオは、まるで甘いお菓子を作っているかのような、カラフルで楽しい映像に仕上がっている。この「888」という数字は、豊かさや広がりを意味する縁起の良いものとされており、彼女たちの輝かしい未来を暗示しているかのようだ。
Spotifyではすでに月間リスナー数が6万人を超え、デビュー曲「Sugar Sugar」の再生回数は40万回を越えるなど、驚異的なスタートを切った。
さらに、彼女たちはプレデビューシングルとして、フィリピンのポップスター、Sarah Geronimoの名曲「Sa Iyo」のカバーをリリースしており、その歌唱力の高さも証明済み。
甘いだけじゃない、一人ひとりのスパイスが効いた魅力を持つSugar N’ Spiceの今後の活躍から目が離せない。
2025年、アジアの音楽シーンはかつてないほどの熱気に満ち溢れています。
今回紹介した6組のアーティストは、広大なアジアの音楽の多様性から見れば、まだほんの一握りにすぎません。
彼らの音楽をきっかけに、ぜひ次なる才能を探してみてください。
プレイリストに新しい一曲を加えるその小さな一歩が、アジアの音楽の未来をさらに豊かに、そして面白くしていきます。