公開日 2026年4月4日 最終更新日 2026年4月4日

アジアの音楽シーンはかつてないほどの多様性と爆発力を秘めている。
第2回目の開催となる「MUSIC AWARDS JAPAN」。アジアでヒットしたアジアの楽曲を讃える「最優秀アジア楽曲賞」のノミネート作品は全21曲。TikTokでのバイラルヒットから、一国のアイデンティティを刷新した大作、そして長年愛される名曲まで、まさに「今のアジア」を象徴する顔ぶれが揃った。
「名前は聞いたことがあるけれど、どんな背景があるの?」「次なるアジアのトレンドを知りたい!」 そんな音楽ファンのために、ノミネート全21曲の魅力を解説!
インドネシアで社会現象を巻き起こしたSilet Open Upの「Tabola Bale」は、2025年4月のリリース以降、TikTokやYouTubeで爆発的に拡散され驚異的なヒットを記録した。
この曲の勢いを象徴するのが、第80回インドネシア独立記念式典でのパフォーマンス。大統領宮殿に響き渡るエネルギッシュなリズムは、参列した軍関係者や政府高官だけでなく、Prabowo Subianto大統領までもが立ち上がるほどの盛り上がりを見せ、祝賀ムードを一層華やかに彩った。
歌詞では、かつては素朴だった女性が再会時に美しく成長していたことへの驚きと、彼女のために禁煙を誓うほどの真剣な愛が描かれている。パプアやマルク地方の訛りとミナン語をミックスした独自の言語感覚と、中毒性の高いメロディが、若者から政界の重鎮までを虜にした。
インドネシアの人気インディーフォークバンドFourtwntyの「Mangu」は、活動休止中であるにもかかわらず、Spotifyインドネシアのチャートで首位を獲得し、大きな注目を集めた。
タイトルの「Mangu」はジャワ語で「戸惑い」や「ためらい」を意味し、歌詞では「宗教の違いによる恋」という、見えない壁に阻まれた切なく複雑な恋愛模様が描かれている。Ariの重厚な歌声とCharitaの軽やかな歌声が重なり、聴く者の心に深く突き刺さるメランコリックな一曲に仕上がっている。
再ブレイクのきっかけはSNSでの爆発的な拡散で、シンプルでアコースティックなサウンドや、「私が間違っているのか、あなたが正しいのか」と繰り返される印象的なフレーズが、ノスタルジックな動画や切ない投稿のBGMとして若者の共感を呼んだ。
インドネシアのロックバンド .Feast といえば、鋭い社会風刺や政治的なメッセージで知られているが、2024年7月にリリースされた楽曲「Nina」は、彼らの新たな一面を見せる感動的なナンバーとして大きな話題を呼んだ。
アルバム「Membangun & Menghancurkan」に収録されたこの曲は、親から子への無償の愛と献身をテーマにしている。タイトルの「Nina」は、ギタリストである Adnan Satyanugraha の愛娘の名前に由来しており、メンバーたちの結婚や親としての実体験がインスピレーションの源となった。
歌詞では、多忙な日々や物理的な距離に阻まれながらも、画面越しに我が子を見守り、成長を支えようとする親の切実な想いが綴られている。「子供にとってより良い世界を築きたい」という願いと、未来へのわずかな不安が混ざり合った感情は、多くのリスナーの共感を呼んだ。
マレーシアのトップシンガーとインドネシアの精鋭制作陣がタッグを組んだ「Menjaga Jodoh Orang Lain」は、国境を越えたコラボレーション作品。タイトルの「他人の運命の人を守る」という言葉が象徴するように、歌詞では「深く愛しながらも、相手が自分ではない別の誰かと結ばれる運命を受け入れる」という、究極の献身と悲哀が描かれている。
インドネシアのヒットメーカー、Ilham Baso によるエモーショナルな旋律を、Ara Johari特有の力強くも繊細なロックボーカルが完璧に表現。その圧倒的な表現力はSNSを通じて東南アジア全域でに広がり、TikTokやInstagramのリール動画でも「切なすぎる楽曲」としてバイラル化し、マレーシアのみならずインドネシアの音楽ファンをも虜にした
単なる失恋ソングの枠を超え、文化と思想を共有する両国の音楽的連帯を象徴する魂を揺さぶる歌声は必聴。
Budak Kacamataが2002年に発表した名曲「Bintang」は、20年以上の時を経てバイラルヒットを記録し、2026年の今、アジアを象徴する一曲として選出された。
ボーカルのZack(本名:Zulkifli Saadan)が婚約破棄という自身の悲劇を機に、わずか20分で書き上げたというこの曲。本来は切ない失恋ソングだったが、2023年に彼の最愛の母が他界したことで、その意味合いは劇的な変化を遂げた。かつての恋心は「亡き人を偲ぶ深い愛」へと昇華され、大切な人を失った多くの人々の心に寄り添う追悼のアンセムへと進化したのだ。
SNSを通じてマレーシア国内のみならず、インドネシア、中国へと波及したその人気は、まさに国境を超えた社会現象。かつてのヒット曲が時代と文脈を変えて再び輝きを取り戻した。
過酷なサバイバル番組「Big Stage Alpha」を勝ち抜いたメンバーで構成された、マレーシアの7人組ボーイズグループ・ALPHAの「P Ramlee Saloma」は、デビュー曲の鮮烈なスタイルから一転、180度の方向転換を図り、東南アジア音楽シーンの新たな「ブループリント」とも評される意欲作。
タイトルに冠したのは、マレーシア芸能界の至宝である伝説のカップル、P. Ramlee と Saloma。単なる懐古的なトリビュートに留まらず、不変の愛と誠実な約束を、重層的なコーラスと洗練されたプロダクションで描き出している。Rocketfuel Entertainmentによる世界基準のプロデュースにより、ALPHAはアイドルという枠を超え、深い表現力を持つ「アーティスト」としての地位を確立した。
「一過性の流行ではなく、アジアのベンチマークになる」という宣言通り、本作には国境を越えて心に響く普遍的な美しさが宿っている。レジェンドへの敬意とZ世代の感性が融合した、まさにアジアを代表するにふさわしいタイムレスな一曲。
フィリピンの人気バンド、Cup of Joeが2024年にリリースし、2025年のアルバム「Silakbo」にも収録された「Multo」は、パンデミック中に書かれた非常に内省的なシンセポップ・バラードだ。
タイトルの「Multo(幽霊)」が象徴するように、歌詞では過去の人間関係や喪失感に「取り憑かれる」苦しみと、そこから前を向こうとする葛藤が鮮烈に描かれている。深い悲しみの底で自分自身と向き合い、癒えない傷を抱えながらも再生を試みる切実な心情を表現した歌詞は、多くのリスナーの共感を呼んだ。
その勢いは凄まじく、フィリピン人アーティストとして初めてBillboard Global 200にチャートインしたほか、国内チャート27週連続1位という歴代最長記録を樹立。さらに2026年には、Spotifyで「史上最も再生されたOPM(フィリピンのポピュラー音楽)楽曲」となる快挙も成し遂げた。
フィリピンのシンガーソングライター、Earl Agustinが2023年に発表した「Tibok」は、誰かに惹かれていく初期の感情や、想いが通じ合うことへの願いが描かれており、自身の失恋経験を昇華させた切なくも誠実な世界観がリスナーの共感を呼んだ。
リリースから2年後の2025年、若者に大人気のドラマ「Ang Mutya ng Section E」のOSTに起用されたことを機にTikTokなどのSNSで爆発的な人気を博した。その勢いは凄まじく、SpotifyにおけるOPMの1日あたりの再生数で歴代最高記録(約209万回)を樹立。フィリピンの主要チャートで1位を独占したほか、米ビルボードのグローバル・チャートでも111位にランクインするなど、国境を越えた大ヒットを記録し、名実ともに彼の出世作となった。
フィリピンの音楽シーンで今最も注目を集めるアーティスト、Dionela。彼の快進撃を象徴する一曲が、2024年11月8日にリリースされた「Marilag」。
大ヒット曲「Sining」に続く本作は、特別な相手が持つ神聖なまでの美しさをテーマにしたナンバー。約2分37秒というタイトな構成の中に、全てが凝縮されている。
チャートでの成績も圧倒的で、Billboard等の主要チャートで1位を独占。さらに2025年1月、国際レコード産業連盟(IFPI)による「Official Philippine Chart」発足時には、その記念すべき名誉トラックとして選出された。その勢いは留まることを知らず、2025年末のSpotifyおよびApple Musicの年間国内チャートでもトップ3入りを果たす快挙を成し遂げている。
「Filipino Music Awards 2025」や「Wish Music Awards 2026」での最優秀R&B楽曲賞受賞など、名実ともにアジアのR&Bシーンを代表するアンセムといえるだろう。
中華圏を代表する実力派シンガーソングライター、J Lin(林俊傑)の代表曲の一つである「Those Were The Days」は、2011年にリリースされたアルバム「Lost N Found(学不会)」に収録されている珠玉のバラードだ。
JJ本人が作曲を手がけ、数々のヒット曲を生み出してきた王雅君が作詞を担当した本作は、ピアノとストリングスが織りなす繊細なメロディから始まる。サビに向かってバンドサウンドが加わることで、感情の昂ぶりがダイレクトに伝わる構成となっており、JJ特有の切なくも力高い歌声が聴き手の心に深く響く。
歌詞では、「雨に打たれた紙飛行機は、最後には落ちてしまう」といった比喩的な表現を用い、かつて二人で描いた「冒険のような夢」が、現実の波にのまれて崩れ去っていく喪失感が描かれている。
2013年にはマレーシアの音楽チャートで年間トップ15にランクインするなど、リリース直後から高い評価を獲得。その後も人気オーディション番組でカバーされるなど、時を経ても色褪せない「JJ式ラブソング」の金字塔として、今なお多くのファンに愛され続けている。
Stefanie Sun (孫燕姿)の名バラード「What I Miss(我懐念的)」は、2007年発表のアルバム「逆光」に収録された、C-POP界を代表する一曲。作詞・姚若龍、作曲・李偲菘という黄金コンビが手掛けた本作は、彼女の真骨頂ともいえる「物語性」豊かな表現力が光る名曲として知られている。
楽曲はシンプルな旋律で静かに始まり、終盤に向けて過去の恋への執着や切なさが爆発するドラマチックな構成になっている。誰もが共感できる「ありふれた、けれど忘れられない感情」を丁寧に掬い取った歌詞と、彼女の繊細な歌声が聴き手の心に深く響く。
その評価は極めて高く、シンガポール金曲奨や中国TOPランキングなど、アジア各国の音楽賞を総なめにしました。さらに、蕭敬騰や林俊傑といった実力派アーティストたちにもカバーされ、時代を超えて愛されるスタンダード・ナンバー。MVで描かれる、幸せな記憶を胸に前を向こうとする切ない別れの物語も、楽曲の世界観をより一層引き立てている。
シンガポール出身のシンガーソングライター Regina Songが、バイラルヒットを記録した「the cutest pair」で2年連続ノミネート。
この曲はSpotifyの「Viral 50 – Global」で首位を獲得したほか、アジア各国のチャートを席巻。TikTokでの関連動画は2,000万回再生を超え、Z世代を中心に「究極の告白ソング」として絶大な支持を集めている。
楽曲のインスピレーション源は、別の女性に恋をしていた当時の「片思いの相手」。自分の良さに気づいてほしいという切実な想いを込めたラブレターのような歌詞が、多くのリスナーの共感を呼んだ。また、シンガポールの観光名所「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」で撮影されたMVは、デジカメを使用したVlogスタイルで制作されており、等身大で親しみやすい彼女の魅力が凝縮されている。
デビューアルバム「fangirl」のリリースを経て、東南アジアツアーを完売させるなど、まさに破竹の勢いを見せるRegina Song。青春の甘酸っぱさを象徴する「the cutest pair」は、アジアの音楽シーンの新時代を象徴する一曲と言えるだろう。
Netflixのアニメ映画「KPop Demon Hunters」から誕生した「Golden」は、今回のノミネート作品の中で最も知られる曲だろう。劇中の人気グループ「HUNTR/X」のシグネチャーソングとして登場した本作は、Billboard Global 200で1位、米Billboard Hot 100で2位を記録。劇中での「大ヒット曲」という設定を現実が瞬く間に追い越していく、歴史的なシンクロニシティを見せつけた。
2020年代のアジア音楽を象徴する金字塔として、本賞においても最有力候補の一曲と言えるだろう。
PLAVEの「Dash」は、バーチャルアイドルの歴史を塗り替えた金字塔的な一曲。EP「Caligo Pt.1」のリード曲としてリリースされるやいなや、米ビルボードの「グローバル200」にランクイン。バーチャルグループが同チャートに名を連ねるのはK/DA以来、約5年ぶりの快挙であり、世界規模での注目度の高さを証明した。
さらに、フィジカルアルバムは初動で103万枚を売り上げ、バーチャルグループとして史上初のミリオンセラーを達成。
最新のモーションキャプチャ技術と、背後にいる実在のメンバーによる卓越したボーカル・パフォーマンス。その「技術」と「生身の才能」の完璧な融合は、既存のアイドルの枠組みを超え、新たな音楽の形を提示した。
2023年4月にリリースされた5thミニアルバム「OO-LI」の収録曲「Drowning」は、愛する人が去った後の深い悲しみを、唸るようなハウリングボーカルと強烈なベース、壮大なストリングスで描いた一曲。
発売当初はチャート圏外という静かなスタートでしたが、転機は2024年10月。入隊中に「不朽の名曲」で見せた圧倒的なパフォーマンスが爆発的な反響を呼び、チャートを急上昇。その勢いは止まらず、2025年5月にはついにMelonチャートで1位を獲得。さらに同年、男性ソロ歌手としてはZICOの「Any Song」以来5年ぶりとなるMelon年間チャート1位という快挙を成し遂げた。
特筆すべきは、その驚異的な持続力だ。NewJeansの「Hype Boy」を超えるMelon週間チャートTOP10最長滞在記録を更新し、2026年現在もTOP10圏内をキープするという、前代未聞のロングランを続けている。悲しみに溺れる感情を爆発させたこの曲は、一時の流行を超え、時代を象徴するマスターピースとして愛され続けている。
タイのヒップホップ界を牽引する重鎮 F.HERO の「กุหลาบ」は、伝統とモダンが鮮やかに交差する曲だ。この曲の最大の魅力は、ヒップホップ、ポップ、そしてタイ東北地方の伝統音楽「モーラム」を融合させた唯一無二のサウンドにある。
タイトルには、イサーン地方の言葉で「もう懲り懲りだ」というニュアンスを込めた「กูเข็ด」のダブルミーニングが隠されており、愛の美しさと、棘が刺さるような痛みの両面を見事に表現。客演には、力強い歌声でヒットを飛ばすモーラム歌手 ก้านตอง ทุ่งเงินと、鋭いライムを刻む若手ラッパー SARANを迎え、世代とジャンルを超えた化学反応を見せている。
制作陣も豪華で、โจอี้ ภูวศิษฐ์ が伝統楽器「ピン」の演奏で華を添え、3つの異なる音楽ジャンル専門のチームがミキシングを担当した。細部までこだわり抜かれた本作は「The Official Thailand Chart」で1位を記録。切ない感情を揺さぶるエモーショナルな旋律と、タイ音楽のアイデンティティが見事に融合した一曲となっている。
タイの音楽シーンを牽引BowkylionとNont Tanont。かつて大ヒット曲「โต๊ะริม」で作詞家と歌い手として間接的にタッグを組んだ二人が、ついに「ที่คนบันลือ (Sometimes) 」で正式なコラボを果たした。
Bowkylionの感情豊かな歌声と、Nontの甘く洗練された歌声が見事に融合した「ที่คั่นหนังสือ (Sometimes)」は、誰かの心の穴を埋めるためだけの存在、あるいは次の物語へ進むまでの「一時停止」に過ぎない切ない立ち位置を、本に挟まれたしおりに例えた文学的な一曲。
YouTube公開直後から急上昇1位を記録した本作は、単なるラブソングの枠を超え、「報われない役割」に寄り添うアンセムとなった。
タイのヒップホップ界を牽引するスーパースター、YOUNGOHM。2023年に「Thatthong Sound」で社会現象を巻き起こし、2024年末にも「RAPSTAR」をバイラルヒットさせた彼が、2025年の幕開けに放った野心作がこの「นครดารา (Nakhon Dara)」だ。
アルバム「Fai Klang Khuen」からのシングルである本作は、タイトルからも分かる通り、映画「LA LA LAND」から強いインスピレーションを受けて制作。タイ語で「星の街」を意味するタイトル通り、YOUNGOHMはバンコクの煌びやかな夜の情熱と孤独を、映画特有のメランコリックかつ華やかなムードに見事に重ね合わせた。
映像美が際立つMVでは、名シーンを彷彿とさせる光の演出やクラシックな衣装を採用。ヒップホップの枠を超え、叙情的な表現力を見せつけた一曲となっている。
ベトナム音楽シーンに衝撃を与えたのが、Hòa Minzyが故郷バクニン省への愛を込めて放った「BẮC BLING (BẮC NINH)」だ。本作は、喜劇界の重鎮Xuân Hinh、気鋭のシンガーソングライターTuấn Cry、そしてヒットメーカーのMasewという豪華布陣で制作された。
楽曲の核となるのは、ユネスコ無形文化遺産である「クアンホー(観賀)」や「チョウバン(奉納歌)」といった北部の伝統芸能と、エッジの効いたヒップホップ・エレクトロニックの融合だ。Masewによる伝統楽器(ダン・グエットや笛)を駆使した疾走感あふれるアレンジに、Hòa Minzyの伸びやかな高音とXuân Hinhによる粋なラップが重なり、世代を超えた「新しい伝統の形」を提示している。
MVは、500人以上の出演者とバクニン省の全面協力により、古都キンバックの美しい寺院や工芸の村々を圧巻のスケールで描写。公開後わずか81日で2億再生を突破し、V-POP史上最速記録を塗り替える歴史的快挙を成し遂げた。
単なる楽曲の枠を超え、首相からも「民族のアイデンティティを刷新した」と称賛された本作。伝統の「重み」を現代の「輝き(Bling)」へと昇華させた、まさに2025年を象徴するアンセムといえるだろう。
ベトナム・ダナン出身の5人組インディーロックバンド、MAYDAYsが2025年に発表した「Phép màu」は、同年のベトナム音楽シーンを象徴する歴史的なヒット曲となった。
短編映画「Đàn cá gỗ」の主題歌として制作されたこの曲は、バンドのメインボーカルであり映画の主演も務めたNguyễn Hùngが自ら作詞・作曲を担当。アコースティックギターとピアノの旋律が静かに重なるロックバラードで、運命的な出会いや愛、そして人生への希望を素朴で誠実な言葉で綴っている。
リリース直後からSNSを通じて若者の間で爆発的に拡散され、卒業式や大切な節目を彩るアンセムとして定着。Billboard Vietnam Hot 100およびIFPIの公式チャートで首位を獲得し、7週連続1位という快挙を成し遂げた。音楽プロデューサー Minh Tốcが手掛けたエモーショナルなギターソロも、楽曲の深みを引き立てる聴きどころの一つ。
「純粋でクリーンな音楽」として高く評価された本作は、単なる流行を超え、人々の日常に寄り添う「奇跡(Phép màu)」のような一曲として、2026年発売のEPにも収録されるなど、愛され続けている。
ベトナムの次世代スターDương Domicの代表曲「Mất Kết Nối」は、2024年11月にリリースされたデビューEP「Dữ Liệu Quý」の収録曲として公開され、2025年のベトナム音楽シーンを語る上で欠かせない歴史的ヒット作となった。
タイトルの「Mất Kết Nối」は、日本語で「接続切れ」や「音信不通」を意味し、歌詞では、愛し合っていたはずの二人の心が次第に離れ、まるで電波が途切れるように対話が失われていく切なさが描かれている。現代的な「接続」という言葉をメタファーに、物理的な距離ではなく「心のリンク」が失われる孤独感を綴った内容は、若者を中心に大きな共感を呼んだ。
この情緒的な世界観は、豪華なMVを制作しない「ビジュアライザー」形式でありながら、YouTubeで1億回再生を突破するという異例の快挙を達成。2025年のBillboard Vietnamチャートでは、年間で最も長くTOP10・TOP20に留まった楽曲として複数の金字塔を打ち立てた。
果たして、この激戦を制し、栄冠を手にするのはどの楽曲なのか?
結果を待つ間に、ぜひ今回紹介した21曲をプレイリストに加えて、アジアが放つ圧倒的なエネルギーを体感してみてください。