GREY Dが待望の1stアルバム「ÁNH SÁNG • MÀN ĐÊM(Side A)」をリリース!

公開日 2026年4月2日 最終更新日 2026年4月2日

(c) GREY D / Facebook

V-POPシーンで「デジタル音源のプリンス」として不動の地位を築いたGREY Dが、約2年の沈黙を破り、自身の音楽性を決定づけるファーストアルバムをリリースした。

3月29日に公開された「Side A – Ánh Sáng(光)」は、単なる楽曲集の枠を超え、彼が内面に秘めていた芸術的な世界観を具現化した記念碑的な作品となっている。

「ハウルの動く城」を彷彿とさせる、幻想的なシネマティック・ビジュアル

今回のプロジェクトにおいて特筆すべきは、クリエイティブ・ディレクターのBen Phạmと共に創り上げた、圧倒的なビジュアル・ストーリーテリングだ。その世界観は、宮崎駿監督の名作「ハウルの動く城」のように、現実と夢の境界が曖昧なファンタジー空間を想起させる。

全体のコンセプトは「タロットの円環」に基づき構成されており、劇中に登場する「喜・怒・哀・楽」を象徴するキャラクターや失われた地図といった要素の一つひとつに、深い意味が込められている。特にリードシングル「Hóa Ra…」のミュージックビデオは、どの瞬間を一時停止してもそのままスマートフォンの壁紙として成立するほど、構図とライティングが緻密に計算し尽くされている。

感情のゆらぎを大切にした「呼吸する」音楽体験

音楽面では、近年のV-POPで主流となっている「耳に残るサビの繰り返し」というヒットの方程式をあえて避け、アルバム全体を通じた「感情の流動性」を重視するアプローチを採った。全7曲はそれぞれ独立しているのではなく、まるで一つの物語のようにシームレスに繋がり、聴き手を深い没入感へと誘う。

サウンドの核となるのは、ギターや打楽器、風鈴といったオーガニックな音素材。そこにピアノやストリングスが重なり合うことで、音楽が感情を押し付けるのではなく、聴き手の心に静かに寄り添うような「余白のある空間」が生まれた。この繊細な世界観は、GREY D本人が作詞・作曲からプロジェクトリーダーまでを担う「オールイン」体制で制作され、WOKEUPや2pillzといった気鋭のプロデューサー陣がその才能を支えている。

業界を震撼させたチャート席巻と、超大物からの賛辞

芸術性を追求した本作ですが、リリース直後から商業的にも爆発的な成功を収めている。配信開始からわずか24時間でApple Musicベトナムのアルバムチャートで1位に輝き、Spotifyのトップ50にも堂々のランクインを果たした。

この快挙に対し、ベトナムで絶大な影響力を持つMC Trấn Thànhは「洗礼されていて知的、そして国際的な感性と芸術性に溢れている」と、その卓越したセンスを最大限の言葉で称え、有名作曲家のHứa Kim Tuyềnも、アルバムを聴く体験を「アリスが不思議の国に迷い込んだような、あるいはソフィーがハウルの世界に足を踏み入れたような感覚」と表現し、その完成度の高さを認めた。

物語は「光」から、未だ見ぬ「闇」の深淵へ

本作のタイトル、実は「ÁNH SÁNG • MÀN ĐÊM(光・闇)」という二部構成の片翼に過ぎない。今回リリースされた「Side A – Ánh Sáng」は、愛を知り、自己を覚醒させていく「光」の過程を描いている。

これに続く「Side B – Màn Đêm(闇)」では、崩壊や再生といった、より内省的で深い感情の淵へとリスナーを導くことが予告されている。

2026年、アーティストとして真の覚醒を遂げたGREY D。彼が構築する「光と闇」の叙事詩は、ベトナム音楽の新たな地平を切り拓こうとしている。