アジア1バズっているVJ、Bai Longって?

Photo by BaJie

クレヨンしんちゃんのVJでお馴染み、シンガポール人DJ/Producer WUKONGのクリエイティブディレクターを担当しているのは、同じくシンガポール人のBai Longだ。

2022年、長い活動休止を経て復活したWUKONG の第二章からBai Longはチームに加わり、縁もゆかりもないEDM業界で、ビジュアルデザイナーとしてのキャリアをスタートした。

今回はBai Long本人の協力を得て、彼のアーティストとしての旅に迫る。

の始まり

「私の夢は常に、世界を変えられるようなアーティストになることでした。また、他の人たちが夢を追い求めるようにインスピレーションを与え、励ましたいと思っていました。」

Bai Longのアーティストとしての旅は7歳のとき、Legoでたくさん遊ぶことから始まった。

「Legoの無限の創造力に魅了され、このおもちゃに夢中になりました。」

10歳から18歳頃、彼のアートの媒体はLegoから伝統的な鉛筆画へと進化した。

「この10年間でアメリカンコミックの絵や漫画を理解しました。」

(c) Bai Long / IG

その後の4年間、アジア人の両親からサポートを受け、アートを仕事にするという大きな決断をする。18歳から22歳まで、グラフィックメディアとモーションデザインにシフト。

そして22歳から26歳までは、大学で3Dアニメーションとプロダクションに専念し、彼の芸術スタイルは最終形態へと進化を遂げる。

「現在30歳で、アーティストとデザイナーとして21年近くの経験を積んでいます。」

@bai.long__ 10 people in one person 🙌 #wukong #vjbailong #blackmythwukong ♬ original sound – Bai.long

彼は長い年月を経て、EDMシーンにおいて、自分のアートで世界を変えることに近づいたと確信している。

「VJ/ビジュアルデザイナーとして活動していて、何度もどうしたらいいのか迷ったが、ゴールは明確でした。これで道は開けました。」

Bai Longはこの地球での時間が尽きる前に、2つのメインクエストをクリアしたいと思っている。

「1つ目はWUKONGをサポートし、彼を有名にするためにできる事は何でもする。(Las Vegas Sphereでパフォーマンスする)」

「2つ目は自分のゲームを公開すること。」

Bai Longの就活

「私の人生はごく普通で平凡なものだったと思います。私はアーティストを目指すものとして、非常にシンプルな生活を送っていました。確かに仕事を見つけることはできなかったし、誰も雇ってくれませんでした。学校からはいつも不利なインターンシップを与えられていました。面接の成績は良かったし、ポートフォリオも他の同期より優れていたので、スキル不足だったとは思っていません。なので本当に困惑しました。」

「フランスの大手ゲーム会社UBISOFTに、ゲームデザイナーとして入社するという目標がありました。UBISOFTには11年間応募し続けていたと思います。いつもあと一歩のところで、採用されませんでした。」

2022年、 WUKONGがツアーにBai Longを雇う直前、ついに長年夢見ていたUBISOFTから採用通知が届く。

「でも長年この会社に入社できなかったのは、宇宙が妨げたせいだと信じています。なので、待ち望んでいたオファーが届いたとき、私は断りました。」

さらにWUKONGとの本格的なツアーを開始した年、UBISOFTはシンガポールのスタジオ内で人員削減を始めた。

「だから、あなたの心と宇宙があなたに伝えようとしていることに耳を傾けることが大切なんだ。」

こうしてBai Longは、WUKONGと働くことを選んだ。

Photo by BaJie

日本で度々バズっているクレヨンしんちゃん誕生の秘話

「2025年、私たちのビジュアル面にとって、とても素晴らしい幕開けとなりました。ほぼすべてのショーでInstagramやX、TikTokなどで何かがバズりました。しかし、このバズるビジュアルの成功は簡単なものではありませんでした。」

「2022年にツアーを始めた頃、WUKONGから不可能と思われる課題を突きつけられたのです。それは、”世界中でバズるようなビジュアルを作る”ことでした。新卒だった私は、EDM業界でVJ/ビジュアルデザイナーとしての経験が全くありませんでした。ニッチな仕事なので、ビジュアルをバズらせる方法は誰にも検討つかないのです。欧米で尊敬できるビックネームはEXCISIONとANYMAの2組だけでした。

2023年にしんちゃんがバズる前、私は200本近くのビジュアルを作成しました。しんちゃんがバズった時は本当に素晴らしい気分でした。どうすれば世界から注目を集められるのか、長い間探していましたが、この仕事に適応しうまくやれると分かったことで、大きなプレッシャーから解放されたような気がしました。一番辛いのはバズるものを作れなくて、チームの中で自分の役割を果たせないと感じた時です。」

@bai.long__ 2024 recap: Result 50Mil views #artist #music #rave @DJ WUKONG ♬ original sound – Bai.long

2024年にはSNS全体で14本のバズったビジュアルを制作。これら14本の動画はWUKONGのSNSアカウントで合計5000万回再生された。

「チームも私もこの成果をとても誇りに思っています。」

WUKONGと働き始めて3年経った

「このチームに参加する前は、心の中でかなり懐疑的でした。アジアには、私がTEAM WUKONGで成し遂げたようなことをした、尊敬できるビジュアルデザイナーがいなかったからです。」

@bai.long__ Your monday motivation #vjbailong ♬ original sound – Bai.long

「EDMシーンに飛び込むという、リスクの高いことに思い切って挑戦したことは最悪の出来事でした。でも今では毎朝目覚める度に、この道の領域に踏み込むという正しい決断をしたと実感しています。最高の出来事は、2024年にアジアや海外で多くのビジュアルが認知されバズるビジュアルを生み出す公式を発見したこと、S2O Thailand 2025でパフォーマンスしたこと、Zouk Tokyoでの公演のために日本に行けたことです。」

今後の計画

S2Oでは水とビジュアルの見事な融合が印象的でした。今後やってみたいことは?

「今後の計画はまだ明かせません。ただ、世界中を楽しませるために最高に面白い素材とコンテンツを用意していくつもりです。ショーでの特殊効果に使えるものを活用して、クリエイティブにビジュアルと組み合わせる事は、私が今本当に楽しんでいることです。これはBai Longにとって、ほんの始まりに過ぎません。」

(c) Bai Long / IG

2025年、Bai Longはクリエイティブディレクターとしての仕事に集中するために、ツアーVJをBeeに引き継いだ。

彼は今日も世界を驚かせる新たなバイラルを産み、夢を叶えるために進み続けている。

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