公開日 2025年10月2日 最終更新日 2025年10月2日
フィリピンの8人組ガールズグループ「BINI」が、2026年に米国で開催される世界最大級の音楽フェスティバル「コーチェラ」に出演することが決定した。フィリピンのグループとしては史上初の快挙であり、P-POPが世界の舞台で新たな歴史を刻む。
所属事務所Star Magicの責任者であるLauren Dyogi氏が、ポッドキャスト番組でその成功の舞台裏を激白。世界進出に向けた大胆な戦略と、今回の快挙がいかにして成し遂げられたのかを明らかにした。
Dyogi氏によると、BINIがコーチェラの舞台に立つきっかけとなったのは、最近行われたワールドツアーだった。しかし、このツアーは短期的な収益を目的としたものではなく、将来への「投資」だったと語る。
「最近のワールドツアーは投資でした。そこから利益は出ていません。我々にとっては大きなリスクでした」とDyogi氏は明かした。
ABS-CBNのCEOであるCarlo L. Katigbak氏の「アーティストを世界の舞台にどう送り出すか」というビジョンのもと、事務所は国際的なコンサルタントやエージェントと契約。ローカルでの収益機会を犠牲にしてでも、世界への挑戦を選んだのだ。
グローバル戦略の鍵は、海外の有力なプロモーターにBINIの実力を認めてもらうことだった。
「エージェントを通じて、フィリピン人以外のプロモーターと繋がることができました。彼らに強い印象を与えることができれば、そのプロモーターたちがフェスティバルへと導いてくれるのです。我々はプロモーターを感心させる必要がありました」と説明。
そのプロモーターこそが、世界的な大手である「Live Nation」や「All Things Live」だ。
ワールドツアー中、BINIは特にドバイ、ロサンゼルス、サンフランシスコといった主要都市での公演で、多くの観客を動員できることを証明。そのパフォーマンスとファンの熱狂が、業界の意思決定者たちに「BINIには何か特別なものがある」と確信させ、コーチェラからの招待状に繋がったのだ。
この快挙に対し、一部で「事務所がコーチェラにお金を払って出演枠を買ったのではないか」という噂が流れた。しかし、彼はこの憶測をきっぱりと否定した。
「人々は我々がお金を払ったと言いますが、それは事実ではありません。そういう仕組みではないのです」
また、彼自身も最初のワールドツアーでこれほど早く結果が出るとは予想していなかったと述べ、「重要なプロモーターたちの間でさらに注目を集めるには、あと2回はワールドツアーが必要だと感じていました」と、驚きをもって今回の招待を受け止めていることを明かした。
BINIは、フィリピンのグループとして初めてコーチェラのステージに立つ。出演日は2026年4月10日(金)と4月17日(金)の2日間が予定されている。2026年のコーチェラには、サブリナ・カーペンター、ジャスティン・ビーバー、カロルGといった世界のトップスターたちもラインナップされており、BINIは彼らと肩を並べてパフォーマンスを披露することになる。事務所はこれからコーチェラの舞台に向けて、BINIの準備を本格化させていくとのこと。フィリピンから世界へ羽ばたく彼女たちの歴史的なステージに、今から期待が高まっている。