10年の抵抗と情熱。Ninety One、新曲「Iya Iya」でカムバック!

公開日 2025年10月9日 最終更新日 2025年10月9日

(c) Ninety One / Instagram

2025年9月、中央アジアの音楽シーンが、一つの帰還に震撼した。メディアやファンが「待望のカムバック」と称賛するその主役は、Ninety One。彼らが自ら道を切り拓いた音楽ジャンル「Q-pop」の絶対的王者だ。結成10周年という記念すべき節目に放たれた新曲「Iya Iya」は、単なる新譜ではない。それは一つの文化現象であり、国家の未来を奏でる高らかな宣言なのだ。

「胸に収まらない炎」- 新曲「Iya Iya」に込められた魂の叫び

この「内なる炎」とは何か。それは、デビュー当時に社会から向けられた抑圧や非難(Aiyptama!)に抗い、自らのアイデンティティを貫き通してきた情熱そのものだ。

10年という歳月は、その炎を消すどころか、もはや「胸という器に収まりきらない」ほどに大きくした。「Iya Iya」は、外部の社会規範に対する、内なる真正な自己の完全なる勝利宣言なのである。10年間の芸術的抵抗と自己肯定を凝縮した、一つの魂の物語だ。

数字で見る「Iya Iya」のインパクト

この魂の叫びは、市場でどのように受け止められたのか?数字がその熱狂を物語っている。

  • YouTubeでの爆発的スタート: MVは音源リリースに先駆けて公開され、わずか数時間で数万再生を記録。公開2週間で62万回再生を突破し、海外ファンによるリアクション動画も多数投稿されるなど、その影響力は国境を越えている。
  • チャートでの安定した強さ: 競争の激しいストリーミング市場でも、その存在感は際立っている。
プラットフォーム指標数値・順位
Apple Music (カザフスタン)最高チャート順位29位
TopHit Radio (カザフスタン)デビュー順位28位
Spotify週間ストリーム数(代表値)13,100回
YouTube (公式MV)再生回数(公開後2週間)626,000回以上

この成績は、熱心なコアファンに支えられた「レガシーアーティスト」特有の動きを示している。一過性のバイラルヒットではなく、10年かけて築き上げたカタログ全体の魅力と、ファンを動かす確固たる力。それこそがNinety Oneの真価なのだ。

「Iya Iya」は始まりの合図。Ninety Oneが奏でる未来

「Iya Iya」は、単なる10周年記念シングルではない。それはNinety Oneという存在そのものを凝縮した、一つの意志表明だ。

彼らはこの一曲で、シーンを再活性化させ、忠実なファンを熱狂させ、そして何よりも「自分たちの炎は、10年経ってさらに燃え上がっている」という真実を証明した。

Ninety Oneはもはや単なるアーティストグループではない。彼らはカザフスタンの現代的アイデンティティと分かちがたく結びついた文化的象徴である。「Iya Iya」は過去10年への賛辞であり、そしてこれから始まる未来への序曲だ。彼らはこれからも、Q-popの、そして時代の決定的な声であり続けるだろう。